メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込⁄停止

(情報掲載日:2012年5月21日)

人材マネジメントライブラリ

「残業削減」でオフィスの業務改善・生産性向上を実現する

VOL.5

残業による長時間労働は、割増賃金の増加など組織側の問題だけではなく、働く人の側においても生産性の低迷やメンタルヘルス不全を引き起こすなど、多くの問題を含んでいます。このような残業を削減していくためにはオフィスの仕事の見直しを行い、業務の改善を進めていき、一人ひとりの生産性向上を図っていく必要があります。そこで、オフィスにおける残業削減の考え方と削減策のアイデアをご紹介します。



なぜ、「残業削減」なのか

●「時間外労働時間」に関する法律(労働基準法)

「労働時間」については労働基準法32条により、その上限が1週40時間、1日8時間と定められています。各事業場で定める所定労働時間は、この法定労働時間を超えることはできません。法定労働時間を超える労働や法定休日の労働を命じるためには、同法36条により、労使協定を締結して労働基準監督署へ届け出ること、割増賃金を支払うことが義務付けられています。割増率は以下の通りです。

「時間外労働時間」に関する法律(労働基準法)

なお、2010年の改正労働基準法により、1カ月60時間を超える時間外労働については、法定割増賃金率が現行の25%から50%に引き上げられました。その際、労使協定を締結すれば1カ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、引き上げ分の割増賃金の支払いに代えて、有給休暇を付与することができます。

●「長時間労働」の弊害と「残業削減」のもたらすメリット

長時間の残業は睡眠時間を減らし、疲労を蓄積させるなど働く人の体調を悪化させます。また、割増賃金が発生するため、不必要な残業は経営を圧迫することになります。さらに残業が恒常的に発生するような職場では、今後、介護など時間的な制約のある社員が増えていった時の対応が難しくなります。このようなリスクを回避するためにも、残業時間の削減を進めていくことが求められています。
業務改善や効率化を進めて残業を削減していくことにより、人と組織の生産性向上が図られます。それは、短時間で成果を上げる社員の育成へとつながり、働く人の「ワークライフバランス」が実現しやすくなります。このように残業削減とは、単なる人件費・コストの削減ではなく、限られた時間できちんと成果を上げることのできる職場を実現していくことであり、将来、労働者人口が減っていく中でも一定の成果を上げていくための経営活動の一環と言えます。



「残業削減」のための業務効率化の方法

●「残業削減」への考え方

残業を削減するためにまず、残業削減に対する考え方がキーとなります。単に労働時間を減らすだけにとどまらず、短時間でより高い成果を上げるための活動と位置付けることがポイントです。そして、「残業をしないことは、人と組織にとって良いことである」という組織風土を実現していくことが重要です。
残業削減に向けての取り組みについては、組織と個人の取り組みに分けてご紹介します。

(1)組織としての取り組み

●「問題点の発見〜改善」のフレームを構築する

組織として残業削減を図っていくには、以下の手順のように業務改善・効率化の取り組みをフレーム化し、継続して行っていくことが大切です。

①「何に時間がかかっているか」を発見する
まず、残業を生み出す問題点がどこにあるのかを発見する必要があります。各人が毎日、どのような働き方をして、何の作業にどの程度時間をかけているのかを把握します。そのために一定期間、各人の行っている仕事を具体的に記録します。
方法としては、図表1のようなエクセルを使った作業記録シートへ、その日に行った業務を時間帯ごとに書き込んでいきます。そして、「書類作成(会議資料、企画書、報告書など)」「会議・打ち合わせ」「メール・電話」「営業・訪問」などの業務に分類していきます。その際、色分けして分類していくと、どの業務に大きく時間が取られているのかがはっきりと見えてきます。
図表1のケースでは、「会議や打ち合わせが多く、しかも時間が長い」「残業時間は書類作成が多くなっている」などの傾向をつかみます。

図表1:作業記録シート(例)
図表1:作業記録シート(例)

②時間がかかる原因をつきとめる
次に、なぜその業務に時間がかかっているのか、その原因を分析していきます。まずその業務をどのようなやり方で行っているかまで細分化した上で、第三者の目で見て無駄や改善すべき点をアドバイスしていきます。例えば、企画書の作成に大きな時間を取られているとした場合、パワーポイントやエクセルなどのソフトが使いこなせていないのではないか、必要のない部分にこだわって過剰品質になっているのではないか、上司から具体的な指示を受けていないからではないかなど、原因と思われることを挙げていき、時間のかかる原因を特定していきます。

③改善策を考える
時間がかかる原因が分かったら、改善策のためのアイデアを皆で出し合います。その際、以下のような視点から考えていくことが有効です。
・削除できないか、なくせないか
・作業手順を変えられないか
・簡素化できないか
・作業方法などを統一して、標準化・マニュアル化できないか
・担当を替えることで、効率アップできないか
・作業工程ごとに分業化するなど、専門化できないか
・アシスタントに任せたり、外部に移管することはできないか

④改善策を評価し、実行に移す
改善策のアイデアが集まったら、そのアイデアを「効果の見込み」「実現性」の視点から評価をします。大きな効果が期待され、実現性の高いものから実施していくとよいでしょう。

⑤改善の効果を測定する
改善策を実行した後、実際に残業削減の効果があったのかどうかを検証することが必要です。取り組みの結果、何時間の短縮となったのか効果を測定するのです。その他にアンケートを実施し、仕事の進め方、作業のしやすさなどがどのように変わったのか、社員の声を集めてみるのもいいでしょう。効果がなかった場合は、なぜ効果がなかったのか検証しつつ、別の方法を検討していきます。

●効率的な会議を行う

具体的なゴールを設定しない会議は、残業の大きな原因となります。ゴールが設定されていなければ、話がそれてしまい、結局何も決まらないという結果になりかねません。そのためにも会議のゴールはより具体的である必要があります。
また、会議が長引くのは参加者が終了時間を意識していないことに原因があると考えられます。結論が出るまで何時間でも話し合うのではなく、終了時間までに結論を出すことが求められます。会議を始める際には「終了時刻は○○時です。この時間までに必ず結論を出すよう、皆さん協力してください」と宣言することが有効です。会議の案内にも議題ごと、話し合う内容ごとに時間配分を記載しておくことです。

●無駄やミスの無駄をなくす5S

5Sとは、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「しつけ」をローマ字で書いた時の頭文字を取ったもので、無駄やミスをなくすために、近年は工場だけではなくオフィスなどでも盛んに実施されている活動です。
オフィスにおける5Sのメリットは、書類などを探す時間の無駄をなくすことだけにとどまらず、同じようなモノが複数個所に点在しているなどの物理的なスペースの無駄、乱雑な職場環境が引き起こす精神的な無駄(心の乱れ)をなくすなど、さまざまな効果が期待されています。
5Sは自分ひとりで行うよりも、組織的に取り組んだほうが効果は上がります。例えば、共有スペースのファイルを自分だけが定置管理を実践したとしても、周囲がそうしなければいつまで経ってもきれいにはなりません。また、5S活動は続けて行うことで大きな効果が出てくるものですから、全社的に継続して取り組むことが大切です。

無駄やミスの無駄をなくす5S

(2)個人としての取り組み

●「効率よくスケジュールどおりに仕事をすすめる」フレームを構築する

個人として残業削減を図っていくには、以下の手順のように、効率的かつ確実な業務のすすめ方をフレーム化して習慣づけることが大切です。

①仕事を洗い出し、優先順位を決める
仕事を効率的に進めていくには、仕事に優先順位を設けて対応していくことが大切です。具体的な手順としては、まず自分の抱えている仕事をすべて洗い出してみることです。仕事を書き出し、それぞれの仕事にどれくらい時間が必要かを考えて書き込みます。
その上で、「緊急度(期日)」と「重要度」の2つを判断基準として、優先して取り組むべき仕事を決めていきます。まず最優先で取り組む仕事は緊急度が高く重要度が高いものです。次に緊急度・優先度を加味し、優先順位を決定していきます。その際、緊急度・重要度ともに低いものについては、行う必要があるのかどうかも考える必要があります。場合によっては、不必要なことに大きな時間を割いている可能性があります。

②マイルストーンを設定し、業務を細分化する
確実に期日までに仕事を完了させるためには、仕事をいくつかの工程に分け、マイルストーン(仮目標となる道しるべ)を設定し、完了させていくことが大切です。マイルストーンとして設定した工程を達成するために、業務を1〜2時間程度(目安)に細分化し、各業務をスケジュール化、時間内に業務を完了させることをコミットします。これによって、やるべき仕事が明確になるとともに、1〜2時間単位で集中して業務をすすめることができます。仕事の達成・未達成を把握することができるため、適宜業務の進め方を見直すことが可能であり、業務の効率化につながります。ある業務に予想以上に時間を割いてしまった場合でも、別の業務に設定していた時間でカバーするなどし、スケジュールの調整をしていくことが可能なため、仕事の完遂期日直前に膨大な残業に追われる、という事態も防ぐことが可能です。
特にボリュームがあり期限が長く設定されているような仕事の場合は、マイルストーンの設定が重要になります。

●時間を食いつぶす作業を見つける

企業の仕事の中には、時間を食いつぶすものがたくさんあります。代表的なものが電話や電子メール、質問、相談、検索、後片付けなどです。そして、これらは何気なく日常的に行っているので、あまり認識されることがありませんが、極力、減らすようにすることが大切です。
しかし、これらを全てやめてしまうと、人間関係に支障をきたしたり、円滑なコミュニケーションを阻害することになってしまいます。ですから、実際に発生した一つひとつの作業について、どの程度必要性があるものなのか、他の効果的な方法に代替することはできないのか、どうしたらやめることができるかを考えていきます。
例えば、時間を食いつぶしていると思われる作業の内容とその目的を書き出していき、それに対して、第三者(上司・同僚など)からその必要性について評価をしてもらいます。そして、実際にその作業に要した時間総量などを勘案した上で、「やめる作業」「減らす作業」「替える作業」に分けて対処していくことも一つの方法です。

●「予定外の作業」を予定する

計画に沿って仕事を進めていても、突発的な仕事を依頼されたり、内容の変更を伝えられたりして、計画が台無しになることがあります。組織において、予定していない作業が発生するのは当然のことでしょう。しかし、頻繁に予定外の作業が発生すると、その対応と計画の変更に追われるようになり、本来やらなくてはならない仕事が遅れ、残業時間が増えていくことになります。このような事態に陥らないためには、「予定していない仕事を予定すること」です。
例えば、毎週いろいろな予定外の仕事が発生して、それが平均で10時間だとします。そこで、予め1日当たり2時間を予定外の作業が発生する、と予定しておくのです。つまり、1日のスケジュールの中で他の仕事と同じように「予定外の仕事」という仕事を設け、それに2時間という時間を確保しておくわけです。予定外の時間を使わなかった時は確保しておいた予定外の時間を翌日に回して、翌日予定していた仕事を当日に回していきます。このように1日のスケジュールの中に組み込まれた「予定外の仕事をする時間」を週単位でフレキシブルに活用することにより、1日の労働時間が平準化されていきます。こうすることで、予定外の作業に振り回されることが少なくなり、残業の削減が図られていきます。

●苦手な仕事は午前中に取りかかる

慣れた業務や単純作業など、やりやすいものから着手したくなりますが、苦手なものを午後に回すと、午前の仕事が思いのほか長引いたり、突発業務が入ったりして、業務が翌日になってしまうことがあります。そして、翌日もやりやすい業務から始めていると、また同様に時間がズレ込んでいき、結局、期限ぎりぎりまで苦手な業務に着手できず、間際になって残業しなければならなくなります。
このような事態を避けるためにも、苦手な仕事は意識して午前中に取り組むようにしていくとよいでしょう。

●テンプレート活用で時間を節約

メールには多くの場合、パターン化された言い回しや表現があります。同じような内容を毎回入力するのは時間の無駄です。冒頭の挨拶文や自社名、氏名はテンプレート(ひな形)を活用すれば、効率化が図れます。
これは書類も同様です。企画書やプレゼンテーション資料などは、自分で考えて新しい価値を生み出す必要がありますが、挨拶状や行事案内などは、テンプレートを活用することで手間が省けます。

●単語登録で文書作成の効率アップ

パソコンで文書を作成する際、頻繁に使う単語を事前に登録しておきましょう。そうすることで、文書を作成するスピードが飛躍的にアップし、作業効率が大幅に改善されます。

●パソコンのショートカットキーで効率アップ

パソコンの操作でなるべくマウスを使わずに、キー操作に変えることで作業効率が大きく向上します。有効なのはショートカットキーです。Microsoft Officeでの場合、作業時間を短縮するショートカットキーには以下のようなものがあります。

【Word】
【Word】

【Excel】
【Excel】

【Power Point】
【Power Point】

【参考】
その他パソコンを使用する際の効率化策として以下もご参考にしてください。
「パソコンの検索術」
http://www.tempstaff.co.jp/magazine/chie/vol23.html
「パソコンの整理術」
http://www.tempstaff.co.jp/magazine/chie/vol16.html

配信申込⁄停止

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

人材マネジメントライブラリ 一覧へ