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(情報掲載日:2013年12月20日)

人材マネジメントライブラリ

従業員のSNS利用に関するルールづくり

VOL.24


インターネットの交流サイト(SNS)に悪ふざけで投稿したり、うっかり機密にかかわる情報を投稿し、予期せず広めてしまうなど、SNS利用をめぐる従業員の行為は会社に深刻な被害をもたらしかねません。SNS利用における想定外のトラブルをなくすための、有効な対策についてご紹介します。

企業に深刻な被害をもたらすSNSの不適切な利用

●軽はずみな投稿が瞬く間に広まり拡散した

アルバイト従業員や来店客がSNSに投稿した写真が瞬く間に大量に複写されて広まり、いわゆる「炎上騒ぎ」となって多くの人の目にさらされる事態が相次ぎました。当人たちは悪ふざけのつもりで、「これほどの騒ぎになるとは予想しなかった」と話しているようですが、匿名であっても顔写真や制服などから投稿者本人の実名や大学名、勤務先が特定され、インターネット上に情報をさらされることもあります。

●悪ふざけ投稿の被害は予想以上に大きい

悪ふざけの投稿は、威力業務妨害で3年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になる可能性があります。また、被害にあった企業が警察に被害届を出したり、損害賠償を請求するケースもあります。形あるものは壊れてもある程度は修復できますが、店舗ブランドや企業の信用といった目に見えないものは一度傷つくと元に戻すことが容易ではありません。SNS利用者が増加している現在では、SNSによるトラブルは多くの企業にとって、「対岸の火事」として見過ごすことはできないものになっています。

SNSで情報発信するときの4つのリスク

●顧客の信用を失うリスクがある

SNSはそのツールの特性から、「無意識に」「うっかり」機密情報を漏らしてしまう恐れが潜んでいます。SNSで情報発信をするときには、以下のような4つの危険が伴うことを自覚しておいたほうがいいでしょう。

SNSにおける情報発信時の4つの危険

①不適切な発言によるSNSの炎上、投稿者所属企業の特定
②位置情報が記録された画像から住所等が特定されることによる情報漏洩
③違法行為に該当することによる企業への影響
④ウィルスによる脅迫やユーザー端末のウィルス感染の恐れ

参考:NPO 日本ネットワークセキュリティ協会
「SNSの安全な歩き方〜セキュリティとプライバシーの課題と対策〜」

●社員がうっかり会社の機密情報を漏らす

SNSは友人に向けて気軽にメッセージを書き込めるため、自分の投稿内容がインターネットという公的な場所に置かれる意識が薄くなり、うっかり会社の情報を投稿し、結果、流出してしまうことがあります。投稿内容に社名が書かれていなくても、「読む人が読めばわかる」ことも多くあります。一度投稿した内容はインターネット上から完全に削除することはできません。
例えば従業員が何気なく投稿した内容がもとで会社全体のイメージが悪くなることもあります。それ以外にも、自社の新商品の発表日について、従業員が「来週発売の新商品の準備で忙しい」などと投稿し、ライバル会社従業員の目に触れる可能性も十分にあるのです。

●顧客のプライバシーを侵害する

本人にはそのつもりがなかったとしても、結果として顧客のプライバシーを侵害するケースがあります。
例えば、飲食店にて有名人が来店し、従業員が「◯◯さんが来店」とSNSに書き込んだ場合、瞬時にそれが拡散し大騒ぎになる可能性があります。それ以外にも、取引先との懇親会の写真を無断でSNSに投稿したことで、先方の気分を害したり、取引先と今その場にいるということを他者に知られ、トラブルにつながることもあるのです。

●行動を監視され犯罪の被害につながる

SNS上で公開している個人情報を抜き取られたり、行動を監視されたりして、自分が犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性があります。それ以外にもSNSでつながっている友だちが紹介するサイトやファイルがウィルスに感染していることもあります。
SNSには位置情報が記録されるものもあり、最新情報を開示することで居場所が特定され、行動パターンを把握されてつきまとわれる被害が実際に起きています。

SNSをめぐるトラブルを予防するには

●SNS利用のガイドラインを定める

SNS利用におけるリスクを従業員に伝え、SNS利用のガイドラインを作成、周知し、従業員の安全と企業の信頼を守るように努めることが大切です。
東京商工会議所は、前出の「SNSビジネス活用基本ガイド」の中でガイドラインの例を掲載しており、作成するときの手がかりになります。その骨子は、「……を守ります」というように行動基準を掲げ、顧客をはじめとする全ての利害関係者(ステークホルダー)に約束する形式になっています。ガイドラインを作成せずに事故を起こした場合と、ガイドラインを作り、従業員教育に努め、それでも事故が起きてしまった場合とでは、トラブルが起きたときの対外的なイメージが全く異なります。
多くの企業では、倫理綱領と行動基準(行動規範)を設け、ホームページや店舗に掲示するなどのかたちで公開しています。SNSのガイドラインについても公開し、すべての利害関係者(ステークホルダー)に誓約することによってトップから現場の従業員に至るまで、SNSの適正な利用法についての意識を統一することができるでしょう。

SNS運用ガイドラインの例

1.ビジネスの基本マナーを守ります
2.お客様に関する情報を守ります
3.会社の内部情報を守ります
4.個人情報を守ります
5.著作権を守ります

参考:東京商工会議所「SNSビジネス活用基本ガイド『ソーシャルネットワーキングとは?』」

こうしたガイドラインの他に、具体的な例やよくある質問例をFAQ形式でまとめたものをネット上に公開する例もあります。

SNSの利用に関するガイドラインFAQの例

・ガイドラインは、どのような職員が対象となるのですか
・職員がSNSを利用することを制限していますか
・SNSに情報発信をする際に、心がけておくことはありますか
・職務内容に関する発信は禁止されていますか
・SNSに秘密情報を発信したらどうなるのですか
・SNSへの発信を勤務時間中に行うことの可否を教えてください
・どのような行為が信用失墜行為に当たるのですか
・発信した内容で炎上してしまいました。どうすればよいのでしょうか

参考:「千葉市職員のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインFAQ」(※1)

※1 千葉市「千葉市職員のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインFAQ」
http://www.city.chiba.jp/somu/joho/kaikaku/download/socialmediaguidelineFAQ.pdf

●トラブルの早期発見と対応法

SNS利用に伴うトラブルの中で、企業が強く懸念しているのは、批判や指摘が投稿され、同調したユーザーが集まり、広く拡散していくケースです。インターネット上では様々な噂が飛び交い、ちょっとしたきっかけで拡散していきます。こうした事態を完全に防ぐことは難しいですが、火種の第一報をいち早くキャッチし、鎮火に努めることは可能です。
簡単に発見する方法のひとつとして、検索サイトで提供しているアラート機能を活用することが挙げられます。会社の社名、店舗名、ブランド名、商品名、代表者名、主要役員名、代表的なキャッチコピー、オンラインショップや企業のURL、TwitterやFacebookの公式アカウントなどを登録すると、それらのキーワードに関連した書き込みがあった場合、メールで知らせてくれます。
このような方法で危険な書き込みを発見した場合は「ただちに原因を調査し、分かり次第報告すること、多くの人に不快な思いをさせ、迷惑をかけたこと」に対する謝罪の意を表します。数日後に書き込みの数が減って沈静化できたら、改めてお詫びと今後の改善と方針をプレスリリースなどで公式に発表する企業が多くなっています。

ESを高めることでリスクを未然に防ぐ

●ESの観点で対策を立てる

上記のようにSNS利用のガイドラインを作り、従業員に周知徹底し、社外に適正な運用を約束することによって、企業の社会的責任を果たし、信用を守り、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。しかし、それだけでは不十分かもしれません。個人のアカウントでプライベートに使用しているSNSにおいては、企業はガイドラインやルールで完全に縛ることは不可能だからです。
悪ふざけ投稿などの背景には、従業員の企業に対する不平や不満のメッセージが込められている可能性もあります。ガイドラインを策定・周知するだけでなく、従業員の不平や不満が淀むことがないように従業員満足度(ES)を高めることが、結果として悪ふざけ投稿のような迷惑行為を未然に防ぐことにつながるでしょう。

●対話や意見交換できる場をつくる

悪ふざけ投稿で店舗を休業せざるを得なくなったある外食企業では、全従業員に対し、いままで従業員の声に耳を傾けて来なかったことを詫び、今後は現場の声を生かし、職場環境の改善に努めることを約束しました。その後、管理職と現場のスタッフが直に対話できる場を増やしているとのことです。
一般的に、学生アルバイトや主婦パート、フリーターの労働力に依存している外食店舗では離職率が高く、1年間で全員が入れ替わる店舗が大半と言われます。その中で、1年以上勤務する従業員が50%を超えるというあるファーストフード店では、社内イントラネットで交流の場を設け、自由に意見交換できる職場環境をつくるようにしています。

人間は、悪意なく過ちを犯してしまうことがあります。不満が積もり積もった場合に迷惑行為に及んでしまう人もいます。そうして起こるトラブルにより、会社が損害を被ることがないよう、従業員がプライベートで利用しているSNSであっても、ガイドライン作りは必要です。更に、職場において従業員同士が十分にコミュニケーションをとり、信頼関係を深めていくことで、連帯感や仕事への使命感を醸成し、SNSによるトラブルの発生源を根本からなくしていきたいものです。

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