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(情報掲載日:2021年4月12日)


コロナ禍でテレワークが広がり、メールやチャットでのコミュニケーション機会が増加しています。しかし、文章でのやり取りは誤解や間違いを生みやすく、これからのコミュニケーションでは、物事や指示を意図通りに正しく、また上手に伝えられる「文章コミュニケーション力」が求められます。どうすれば文章で誤解なく自分の意図を伝えられるのか。これから求められる文章コミュニケーション力について解説します。

●仕事でのコミュニケーションの1位はメール。チャットも大きく増加

ビジネスパーソンは普段、文章によるコミュニケーションをどれくらい行っているのでしょうか。日本ビジネスメール協会が2020年4月にビジネスメール実態調査を行っています。仕事で周囲とコミュニケーションをとる手段は「メール」が最も多く99.10%でした。以下「電話」「会う」と続きます。2019 年と比較して10ポイント以上の増加が見られたのは、「テレビ会議・ウェブ会議」(31.94ポイント増)、「グループウェア(16.33ポイント増)、「チャット」(11.65ポイント増 )、「会う」(11.34ポイント増)です。2020年調査は同年4月に実施しており、コロナ禍によるテレワークの実施とそれに伴うデジタル環境の充実もあって、メールやチャット、グループウェアといった文章でのコミュニケーションが大きく増加したと考えられます。

仕事で使っている主なコミュニケーション手段(複数回答)

(一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」より作成 ※1)

2020年調査によれば、個人でのメールの1日平均の受信数は50.12通、送信は14.06通でした。2019年調査では1日平均の受信数38.07通、送信11.59通でしたので、個人での1日の受信数がこの1年で大きく増加したことがわかります。また、2020年調査によれば、メール確認の頻度は1日10回以上が51%と最多でした。これだけメールによるやりとりが多いと、メールに対する不安も増していきます。次に「自分のメールに不安を抱くことがあるか」と聞いたところ、「よくある」17.98%、「たまにある」51.42%で、自分のメールに不安を抱く人は69.40%であることがわかりました。その不安の内容について聞いたところ、上位から「正しく伝わるか」76.42%、「不快にさせないか」54.13%、「内容は適切か」50.60%、「誤字脱字はないか」44.85%、「メールで伝えていいか」39.18%となっています。文章によるコミュニケーションの難しさを多くの人が感じていることがわかります。

メールに対する不安の内容(複数回答)

※自分のメールに不安を抱くことが「よくある」「たまにある」と答えた方の回答
(一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」より作成 ※1)

●これからのコミュニケーションでは相手を「不快」にさせない文章力が必要

次に「過去1年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことがあるか」と聞いたところ、半数弱の人(「よくある」3.61%+「たまにある」37.63%=41.24%)がメールで不快に感じたことがあるということがわかりました。不快に感じた内容は上位から「質問に答えていない」45.16%、「必要な情報が足りない」42.03%、「文章が攻撃的」36.09%、「文章が失礼」35.63%と続いています。これらを見ると、文章で物事を伝えることの難しさや怖さがあらためて感じられ、仕事の中でコミュニケーションを取る際に、より慎重になるべきであると思われます。

不快に感じた内容(複数回答)

※過去1年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことが「よくある」「たまにある」と答えた方が回答
(一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」より作成 ※1)

文章によるコミュニケーションでの失敗例としては、「意図していたものと違う伝わり方をした」「感情的なメールになった」「要点が抜けて、わかりにくい文章になった」といったものがあります。ひとたびすれ違いが起こってしまうと、信頼回復までには時間がかかります。これからの仕事におけるコミュニケーションでは、誤解や間違いを生まず、自分の考えを正しく伝えられる文章コミュニケーション力が必要です。

※1:一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」
https://businessmail.or.jp/research/2020-result/新しいウィンドウが開きます


●場面で「メール、チャット、電話」を使い分ける

リーダーは文章力を高めるほかに、コミュニケーションツールの正しい使い分けを知る必要があります。利用の多いメール、チャット、電話のメリットとデメリット、使用に適した場面をまとめると次のようになります。使い分ける基準は、「記録を残すべき案件かどうか」「複数の人に周知させるべき内容かどうか」「緊急性があるかどうか」「社内か社外か」といったものになります。場面で優先したい条件をもとに、最良のツールを選択しましょう。

メール、チャット、電話のメリット・デメリットおよび適する場面


●身につけるべき文章コミュニケーションの基本

文章によるコミュニケーションで基本となる項目には次のようなものがあります。伝達のミスを防ぐうえでもっとも大切になるのは相手への配慮です。相手が内容を理解できるか、誤解や間違いをしないかを考えながら、文章を書きましょう。また、使えそうなフレーズは普段からストックしておくことも有効です。

身につけるべき文章コミュニケーションの基本

●コミュニケーションの活性化にチャットを利用する

チャットはメールと違い、「反応が速く、手軽に返信してもらえる」「グループチャットで多数でのやりとりができる」「メッセージを見落とすことが少ない」「一度送ったメッセージを編集・削除できる」といったメリットがあり、コミュニケーションの活性化に役立ちます。現場でテンポよく使うためのコツには次のようなものがあります。朝礼(行動予定を送るなど)、業務プロセスの共有、ウェブ会議、雑談、社内の問い合わせ対応、緊急事態時の対処などの場面で広く活用できます。

ビジネスチャットの使い方のコツ

・目的別にグループを設定する
・季節の挨拶や定型的な言い回しは省く
・始めに概要を伝える
・テンポよく反応する
・1回のテキストは短め、単刀直入に書く
・質問にははっきりと答える
・視覚的な見やすさを意識する
・曖昧で相手に伝わりにくい表現は避ける
・絵文字の使い過ぎを避ける
・後から検索できるように検索ワードを書き込む


●文章によるやり取りでは相手の視点で考えることが重要に

文章によるやり取りは記録が残るだけに、仕事でのやり取りでは正しく事実を把握し、慎重に言葉を選んで伝える必要があります。特に感情的な状態で物事を伝えようとすると、事実の把握もおろそかになり、強い言葉が誤解を生んでしまいます。冷静に相手の立場になって考え、どのような伝え方であれば間違いがないか、相手の心に届くかを考えて、文章を書くことが求められます。

仕事での文章のやりとりで気を付けること


●自分の考えを言葉にして、相手に伝えるときのポイントとは

仕事におけるやり取りでは、自分の考えを誤解なく伝える相手に必要があります。どうすれば自分の考えを適切な言葉に変換できるでしょうか。クリエイティブディレクターであり、コミュニケーションに関して多くの著書がある三浦崇宏氏は、思考を言語化するプロセスを次のように述べています。大事になるのは「自分のスタンスと感情」そして「物事の本質を見る」ことです。そのうえで、人を動かすときは「目的」を明確にし、「目的に向かうプロセス」を示し、「主語を複数に」して共に挑むことを伝えることが有効です。

ある問題や事象について語るときに、思考を言語化するプロセス

(三浦崇宏『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』SBクリエイティブを参考に作成)

言葉で人を動かすときの重要なポイント

目的を明確にする(「何のために」が明確にならないと人は本気になれない)
目的に向かうプロセスを明確にする(どれくらい努力すれば目的を達成できるのかを示す)
例:「頑張って一番を獲ろう」→「ここまで頑張れば一番が獲れるぞ」
主語を複数にする(視点をIからWeに変える)
例:「頑張ってください」→「一緒に頑張ろう」

(三浦崇宏『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』SBクリエイティブを参考に作成)
デジタル環境の整備とともに、文章によるコミュニケーションは今後も増えると予想されています。文章によるコミュニケーションは遠隔でも情報を共有でき、指示が伝えられる便利さがありますが、反面、相手がどう受け取るかを予測しなければならない難しさがあります。これからのビジネスパーソンは、誤解なく自分の指示や意図を言語化できるスキルを身につけることが重要です。

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