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(情報掲載日:2020年7月13日)


新型コロナウイルス感染症の流行は、企業にテレワークの必要性を実感させました。また、多くの人が今回新たにテレワークを経験し、テレワークによるマネジメントの難しさを感じています。この先もこうした働き方は定着しつつあり、テレワーク体制の整備は今後も必要といえます。どうすればテレワーク・マネジメントがうまくいくのか。その方策を考えます。

●テレワークとは何か

「テレワーク」とは、厚生労働省の定義によれば、情報通信技術(ICT)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。近い意味で使われる「リモートワーク」は一般的には、企業のオフィス以外の場所で仕事に携わる勤務形態を指します。この記事では、時間や場所を有効に活用する働き方全般について考えるという意味から「テレワーク」を使わせていただきます。

テレワークは、働く場所によって「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイル勤務」に分けられます。「在宅勤務」は自宅を就業場所とする働き方で、「サテライトオフィス勤務」はオフィスから離れたところに設置した部門共用のオフィスで就業する施設利用型の働き方です。「モバイル勤務」は移動中の交通機関や顧客先、カフェ、ホテル、空港のラウンジなどを就業場所とする働き方です。

●テレワークで起こるマネジメントの障害

テレワーク・マネジメントはオフィス内とは違い、マネジャーが遠隔地にいてメンバーをまとめることになるため、次のような障害が想定されます。マネジャーにとっては目に見えるメンバーの情報が少なくなることで、メンバーを信用しにくくなるため、強い監督・干渉を行うマイクロマネジメントに至るケースもあります。テレワークは実際に相手が目の前にいないからこそ、マネジメントの基本に立ち返る必要があります。お互いの信頼関係をベースにして、オープンで公平な管理を心掛けましょう。

テレワークで起こるマネジメントの障害


●離れているからこそ、「見える」「わかる」「察する」関係づくりが重要

テレワークの難しさは相手が見えず、仕事の進捗がわからないことで、相手を信用しにくくなることにあります。そのためチーム運営で気を付けることは、互いの状況が確認できる仕事環境を整え、やり取りで必要な部分はルール化し、コミュニケーションが円滑にできるよう心掛けることです。チームとしてテレワークに慣れるまでは、「見える」「わかる」「察する」ことに障害がないかを日々確認していく必要があります。

テレワーク・マネジメントで求められる要素

●遠隔でも働きやすい環境をつくる
・最低限必要な仕事環境を整える(チャットやSNSなどのコミュニケーションツール、相互に確認できるスケジューリングツール、資料を共有し協働作業ができるクラウドストレージ、仕事の受け渡しをプロジェクトで管理できるプラットフォームなど)
・メンバーのスキルに合わせて権限委譲を行う
・マネジャーに頼らず、メンバー間で助け合う風土をつくる
・1〜2週間に一度程度は仕事の振り返りを行う

●部署の方針とメンバーへの期待を明確にする
・生産性を上げ、一体感を持たせるために、部署として取り組む共通目標を掲げる
・目標やKPI(重要業績評価指標)の設定はプロセスと成果のバランスを考慮する
・仕事のプロセスについてアピールする機会を設ける
・目標や達成基準を社内ネットワークに掲示して共有し、働きぶりがわかるように日々の仕事内容は日報などに書き込んで知らせ、できる限りお互いの仕事が見えるように工夫する
・認識のずれを避けるため、目標設定時にどんな仕事を目指しているかを話し合う
・テレワークと通常業務のバランスも考慮する

●オープンで公平な風土づくり
・企業情報、仕事情報はできる限りオープンにして透明性を高める
・会議内容は文章化し、誰でもいつでも見られるようにしておく
・成果をシェアするために、定期的なオンラインミーティングや週次報告で、最近の成果や成功例、サポート例などを共有する

●さまざまなコミュニケーション機会を設ける
・チャットツールは立ち上げっぱなしで利用するなど、常時やり取りができる環境を目指す
・ビデオ会議ツールを使って、チーム全体で顔を合わせる会議の時間を持つ
・ビデオ会議はリアルと違いコミュニケーションがしにくくなるため、進行役を立てて個々の言葉を引き出し、話すときは簡潔にわかりやすく伝えるように努める
・合宿やチームミーティングなど、仕事を円滑にするためにリアルに集まる機会を設け、コミュニケーションを図る
・小まめにリアルなコミュニケーションを行う(毎日マネジャーとメンバーが電話で話す、マネジャーがメンバーのテレワークを行う場に出向いて面会する など)



●メンバーが互いのことを考えながら、情報発信できる工夫を

テレワークでは、マネジャーおよびメンバー間の言葉遣いの些細な誤解が人間関係に影響することがあります。また、互いの仕事ぶりが見えないことがチームワークの乱れや孤独感につながることもあります。そのため、メンバーが互いのことを考えながら、情報発信できる環境をつくることが求められます。特にテレワークではメールやチャットなど文字によるコミュニケーションが増えるため、言葉遣いへの配慮は必須です。お互いが見えないからこそ、思いを言葉にし、意識的にコミュニケーションをしていくことが重要になります。


文章における言葉遣いの工夫

・テレワークでは文章でのやり取りが増えるため、誤解を招かないよう、わかりやすく、コンパクトな文を心掛ける
・文章の誤解を防ぐため、不安なときは初めに「先ほどの件は……ということですね」など解釈の確認を行う
・文ではできるだけ肯定表現を使う(例:×「〜しないでください」→○「〜してください」「〜していただけたほうがうれしいです」)
・命令口調は使わず、疑問形で柔らかな言い方に(例:「〜することはできますか?」)
・オンラインのチャットでは普段の話し言葉のようなやり取りをするなど、親しみや信頼関係をつくる場であることを心掛ける
・文字でのやり取りは冷たい印象になりがちなため、絵文字や顔文字を使い、言葉に表情をもたせる



仕事の進捗を知らせる工夫

・個々で毎日ToDoリストを作成して、イントラネットの掲示板に書き込む
・仕事終わりに日報を書き、今日行ったこと、今抱えているタスク、所感などを書いて自己開示する
・チャットではリアルの職場でも口にするようなつぶやきや感想を書き込めるようにする(例「○○が終わった」「ちょっと疲れた」「今行き詰ってる」など)



不安や寂しさを解消する工夫

・テレワークでは雑談が不安や寂しさの解消に役立つため、チャットで仕事のことだけでなく、日常のできごとや思いなど自由に伝え合えるルールをつくって、話す場を設ける
・毎週または隔週で30分程度、マネジャーとメンバーでフリーに話せる場を設ける
・ビデオ会議の終わりに、合言葉や気合をかけたり、ポーズを取るなど一体感を高める工夫をする

テレワークでのマネジメントは、遠隔でのコミュニケーションに慣れていないことから、現状難しく感じているケースもあります。インターネットを通じて、言葉を交わし、情報をやり取りできますから、慣れればある程度オフィスと近いレベルでのコミュニケーションはできるはずです。日々行いながら、気付きや工夫を反映させ、よりよいテレワーク・マネジメントを見つけていくことが企業には求められています。

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