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(情報掲載日:2012年10月22日)

人材マネジメントライブラリ

経営状況を把握するためのデータの読み解き方

〜BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)から分かることは何か?

VOL.10

会社の経営状況を把握するためには、さまざまなデータ(指標)があります。その中でも、貸借対照表(Balance Sheet=BS)と損益計算書(Profit and Loss statement=PL)が有用なものとして知られています。BSとPLは会社の経営状況の何を表しており、それをどのように見ていけばいいのでしょうか。その読み解き方をご紹介します。



BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を読むことの意味

会社の経営状況を把握するために有用なデータ(指標)となるのがBSとPLです。
BSは、会社の「資産負債証明」です。会社の所有する資産と抱えている負債(他人から借りたお金等)が記載された明細書ですから、どうやってお金を集めて現在の資産を築いてきたのかを知ることができます。
一方、PLは、会社がどのように売上を上げ、どれだけのコストをかけて利益を上げているのかを知るための「成績表」ということができます。
このようにBSとPLの両面を見ていくことにより、PLで示された利益が現金や土地等どのような資産に姿を変えて残っているのかが分かり、会社の経営状況を捉えることができます。


図1:BSとPLの関係

BSの読み解き方

●資金の調達(負債・純資産)と運用(資産)を見る

最初にBSを見ていきましょう。BSとは、ある時点(決算日)において会社がどこから資金の調達を行い、どこに資金が使われているのかといった運用を表す明細書です。つまり、同じ資金を調達と運用という異なる視点で見ているということになります。
表には会社の全財産である「資産」、およびその資産を取得するために調達したお金の出所を「負債」と「純資産」に分けて表しています。


【BSの基本構造】


●BSで見るべき項目

①資産
資産というのは、会社が集めたお金をどのような状態で持っているのかを表すものです。
この資産は、「流動資産」と「固定資産」に分かれます。
流動資産とは、1年以内に現金化することのできる流動性のある資産のことです。例えば、株券や債権などの有価証券、代金回収前の売掛金、現金や預金などがこれに該当します。
一方、固定資産とは、長期にわたって保有する資産のことです。例えば、建物や機械、土地などが該当します。これらは、会社が設備投資を行うと増えてくる資産です。固定資産は時間の経過とともに劣化するものが多いので、買い替えや修理など、先々に渡って費用が発生する可能性の高い資産と言えましょう。


②負債
負債というのは、返さなければならない会社の借金の状態を表すものです。この負債は、「流動負債」と「固定負債」に分かれます。
流動負債とは、1年以内に返済しなければならない負債のことです。例えば、代金払い込み前の買掛金、短期に返済しなければならない借金などがこれに該当します。
一方、固定負債とは、1年以後に支払わなければならない負債のことです。例えば、社債など会社が資金調達のために発行した債券のほか、退職給与引当金、長期に渡る借金などが該当します。固定負債が大きすぎると、経営を圧迫する要因になりかねません。


③純資産
純資産は、投資家から集めたお金とこれまでの会社の利益のうち、蓄積された合計を表したものであり、負債と違って返さなくてもよいお金です。そして純資産のうち、自己資本(株主資本+評価・換算差額等)が総資本(負債+自己資本)に占める割合を自己資本比率といい、これが高いほど、返済不要の資本で事業を行っていることになるため、健全な経営を行っていると評価できます。

PLの読み解き方

●5つの利益から、どれだけ売上を上げ、どのように利益を生み出したかを知る

PLは、一定期間(通常は1年間)における収入の合計額から支出を差し引いた利益を計算したもので、5つの利益に区分することができます。この5つの利益の数字を見ることで、企業がいくら稼いだのか、またどのように利益を生み出したのかを知ることができます。また、そこに企業の利益の出し方の特徴が現れてきます。


【PLの基本構造】

①売上純利益
売上純利益は「粗利」とも呼ばれ、ビジネスが生み出す最初の利益で、会社が提供する商品・サービスを、顧客が購入することによって得られるものです。


②営業利益
営業利益は資産運用などによって計上される利益は含まれないため、本業から生み出した利益と言えます。


③経常利益
恒常的な企業活動から得られる利益であるため、この利益をもって「企業活動上の利益」と定義する場合もあります。


④税引前当期純利益
1年間の企業活動の結果、発生した全ての収入から全ての支出を差し引いて計算された利益を示しているため、純粋な当期の企業の経営活動の成果と言えます。


⑤当期純利益
ビジネスの現場では「最終利益」と呼ばれることもあります。「当期純利益」の使い道は会社側が自由に決めることができ、株主配当や役員賞与、利益を会社の中に蓄えておく内部留保などとして使われます。


同じ5000万円の利益を稼ぐ会社であっても、本業で5000万円の利益を出している会社と、本業の不振を補うために配当や利息など本業以外で利益を出している会社では、将来性や安定性という点で大きな違いがあります。
また、恒常的に発生する費用もあれば、たまたま発生した臨時の利益まで、さまざまなものが混在しているので、最終的に同じ利益額であっても、利益が生み出される背景は全く異なります。このようにPLでは、5つの利益からその違いを読み取ることができます。5つの利益ごとの収益と費用の内容を見ることで、企業活動がどのように行われ、どのように利益が生み出されているのかを把握することができます。

【参考】マネジメント層が知っておくべき「人」関連データ

BS・PL以外にも、マネジメント層が知っておくべき「人」関連のデータとして、以下のようなものがあります。


①売上高人件費率
売上高人件費率とは、売上高に対する人件費の負担を見るものです。以下のような算式で求められます。

「売上高人件費率」=人件費÷売上高×100(%)

人件費には、賃金や賞与・一時金、諸手当をはじめ、福利厚生費(法定福利費+法定外福利費)、退職金・年金費用(退職金・年金の積み立て等に関わる費用)などが含まれます。
同業他社と比べて売上高人件費率の高い会社は、人件費が企業の収益を圧迫していると言えます。


②一人当たり売上高
従業員一人当たり売上高は、以下のような算式で求められます。

「一人当たり売上高」=売上高÷従業員数

同業他社と比較して、一人当たり売上高が高いほうが、労働生産性が高いと判断できます。


③一人当たり当期純利益
経営活動の最終結果は、当期純利益として表されます。一人当たり当期純利益は、以下のような算式で求められます。

「一人当たり当期純利益」=当期純利益÷従業員数

一人当たり売上高と同じように、企業が効率的に経営されているかどうか(生産性)を判断する際に利用されるものです。ただし、一人当たり売上高が高いからといって、一人当たり当期純利益も高いとは限りません。一人当たり売上高が増加しているのに、一人当たり当期純利益が増加していない場合は、両者をよく分析し、どこに問題があるかをつきとめる必要があります。


④一人当たり経常利益
一人当たり当期純利益と並んで重要なのが、一人当たり経常利益です。以下のような算式で求められます。

「一人当たり経常利益」=経常利益÷従業員数

当期純利益が処分可能な利益を表すのに対して、経常利益は会社の本業の実力を表すものです。従業員の労働生産性を見たり、同業他社と比較する場合には、こちらの数字を見るほうがより実態を反映していると言えます。


⑤一人当たり人件費
従業員を雇用するのにかかる費用で、以下のような算式で求められます。

「一人当たり人件費」=人件費÷従業員数

一人当たり人件費が高いほど、一般的に従業員にとって待遇の良い会社であると言えるでしょう。しかし、前述の一人当たりの売上高や当期純利益、経常利益が同業他社と比べて低いのに、一方で一人当たり人件費が同業他社よりも高いような場合、利益が圧迫されることになるので、一人当たり人件費水準を是正していく必要があります。
その際、急激な是正を行うと人材の流出やモチベーションの低下となるため、複数年に渡る中長期的な取り組みが求められます。

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