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変形労働時間制についての疑問を解決

(情報掲載日:2011年11月21日)

Q1変形労働時間制とはどのような制度ですか?
A1

労働基準法では、1日8時間・1週40時間という法定労働時間が定められていますが、変形労働時間制とは、一定期間の中で法定時間内に収めるようにすれば、1日8時間・1週40時間を超えて労働させても時間外労働にならないとする制度です。

Q2変形労働時間制にはどのような種類がありますか?
A2

変形労働時間制には、以下の3種類があります。
※下記一定期間の中で法定労働時間を超えている日、週、月があっても時間外労働とはなりません。

<1ヶ月単位の変形労働時間制>

1ヶ月以内の一定期間で法定労働時間内に収まれば、1日8時間・1週40時間を超えても時間外労働とはならない制度

◆例1:1週間単位で40時間に収める例
(月) (火) (水) (木) (金) (土) (日) 週合計
9h 7h 4h 7h 9h 4h 休日 40h
◆例2:1ヶ月単位で160時間(40h×4w)に収める例
1週目 2週目 3週目 4週目 月合計
42h 36h 36h 46h 160h

<1年単位の変形労働時間制>

1ヶ月を超え1年以内の一定期間で法定労働時間内に収まれば、1日8時間・1週40時間を超えても時間外労働とはならない制度

◆例:6ヶ月で上限1045時間に収める例(上限算出式:6ヶ月183日×40h÷7)
6月 7月 8月 9月 10月 11月 6ヶ月合計
180h 160h 150h 175h 190h 190h 1045h

<1週間単位の非定型的変形労働時間制>

常時使用する労働者数が30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、1週間単位で各日の労働時間を弾力的に定めることができる制度

◆例:曜日により業務に繁閑がある飲食店で、1週間で40時間に収める例
(月) (火) (水) (木) (金) (土) (日) 週合計
6h 休日 休日 6h 9h 10h 9h 40h
Q3企業にとって変形労働時間制を導入することのメリットは何ですか?
A3

変形労働時間制を導入することのメリットは、労働時間を一定期間の中で法定時間内に収めるようにすればよいため、各日各週の労働時間を法定労働時間から増やしたり減らしたりできることです。
1ヶ月や1年間の中で業務の繁閑がある企業では、変形労働時間制を導入することにより、業務の繁閑に合わせて労働時間を増減できるため、業務の効率化や労働環境の改善等を図ることができます。
ただし、変形労働時間制は、原則的には各日の労働時間を前もって定める必要があります。その上で、事前に定められた範囲内であれば時間外労働とみなさないという仕組みであるため、業務の繁閑があらかじめ予測できない企業では変形労働時間制の導入のメリットはあまりないといえます。

Q4変形労働時間制の導入に必要な手続きはありますか?
A4

変形労働時間制を導入するためには、労使協定の締結または就業規則等に定める必要があります。(※1
なお、労使協定については、労働者側の代表と企業側の代表の書面による協定の締結が必要になります。一方、就業規則については、企業側が作成した後に労働者の代表から意見を聴き取った上で、意見書を添付して労働基準監督署に届け出ることが必要になります。

■変形労働時間制の導入の手続き

1ヶ月単位 下記いずれか必要
① 就業規則等への定めと労働基準監督署への届出
② 労使協定の締結と労働基準監督署への届出
※②で常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則への定めも必要
1年単位 下記いずれも必要
①労使協定の締結と労働基準監督署への届出
②就業規則等への定め
1週間単位 下記いずれも必要
①労使協定の締結と労働基準監督署への届出
②就業規則等への定め
Q5変形労働時間制を運用するにあたっての注意点はありますか?
A5

変形労働時間制を運用するにあたっては、通常よりも厳格な労働時間の管理が必要になります。これが疎かになると時間外労働の割増賃金の計算が困難になってしまうばかりか、かえって時間外労働を増やしてしまうことになってしまいます。なお、1年単位の変形労働時間制における時間外労働の考え方については以下の図をご参考ください。(※2
そもそも、変形労働時間制は全体の労働時間を法定労働時間以上に増やせる制度ではありませんので、業務の閑散期の労働時間を減らさないと繁忙期に増やすことはできません。また、1年単位の変形労働時間制については、1日や1週間の労働時間や連続労働日数・年間休日数制限があります。(※3)さらに、期間途中での入退職者への賃金の精算等にも注意を払う必要があります。(※4
このように変形労働時間制の導入は労働者の労働条件に大きな影響を及ぼすものです。したがって、導入に当たっては、労働基準法等の法令を遵守した上で、自社の実情をしっかりと把握してから企業側と労働者側で十分な話し合いを行い、双方が納得した上で、導入を進めることが重要になります。

1年単位の変形労働時間制と時間外労働

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