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「外国人の雇用」に関する疑問を解決

(情報掲載日:2012年1月23日)

Q1外国人が国内で就労するために必要な「在留資格」にはどのようなものがありますか?
A1

現在、入管法上の在留資格には、下記のようなものがあります。大きく分けて「活動に基づく在留資格」と「身分又は地位に基づく在留資格」の2種類があり、前者の在留資格では国内での活動内容が制限されます。

■在留資格の種類(※1

  • 1.活動に基づく在留資格
    • A. 就労が認められる在留資格
    • B. 就労は認められていない在留資格
    • C. 就労の可否は指定される活動の内容によることとされるもの
  • 2.身分又は地位に基づく在留資格

1. 活動に基づく在留資格

A. 就労が認められる在留資格
「外交」「報道」「技術」「人文知識・国際業務」「興行」「技能」など17種類の在留資格があります。活動内容は限定されますが、就労が認められます。それぞれの在留資格を得るには、省令で詳しく定められた条件(技能・資格や経験年数など)を満たす必要があります(※2)。

B. 就労は認められていない在留資格
「留学」や「短期滞在」など6種類の在留資格があります。基本的に就労は認められません。しかし入国管理局から資格外活動許可を得ていれば、許可された範囲内で就労が可能です。資格外活動許可とは、外国人の現在の在留資格の活動のほかに収入を伴う活動を行おうとする場合、あらかじめ申請し法務大臣の許可を受けるものです。この許可は本来の在留資格に属する活動を阻害しない範囲で付与されます。

C. 就労の可否は指定される活動の内容によることとされるもの
「特定活動」(ワーキングホリデー等)があります。


2. 身分又は地位に基づく在留資格

「永住者」「定住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者等」の4種類の在留資格があります。日本国内の活動に制限はありません。単純労働等の業務でも就労が可能です。

また、在留資格のない外国人(不法滞在者)を雇用すると罰則が適用されますので雇い入れの際は注意しましょう。

■在留資格のない外国人(不法滞在者)を雇用した場合の事業主に対する罰則

  • ・働くことが認められていない外国人を事業活動に関し雇い働かせたり、業としてあっせんした者等(不法就労助長罪) → 3年以下の懲役・300万円以下の罰金
  • ・不法就労助長罪を行った外国人事業主 → 退去強制の対象となる(2010年7月1日より新設)
Q2外国人はどのように採用すればよいですか?
A2

外国人を採用する場合には、日本人を採用する場合と同様、様々な採用手段がありますが、外国人留学生を採用する場合には厚生労働省管轄の「外国人雇用サービスセンター(※3)」を利用する方法もあります。

また、日本勤務の外国人を海外で採用する場合は、現地の労働市場や効果的な採用手段のほかに、求人を出す場合に求職者が必要とする情報についても調べる必要があります。またビザの申請等入管法上の複雑な手続きも発生しますので、専門の行政書士や現地労働市場に詳しい専門家に相談するとよいでしょう。国内にも海外にも拠点を持つような人材サービス会社を活用すれば、日本にいながらにして情報収集が可能な上、語学の心配も少ないでしょう。

<採用手段例と特徴>
自社HP 自社HPに掲載することができるため、自社のWeb更新にかかる費用以外にはコストが発生しません。また、HPから求人情報にたどりつくということは、それだけ会社への興味や理解が深い可能性が高いといえるでしょう。しかし求めている人材に合わせて、日本語以外のページを用意しておく必要があります。
求人媒体・ジョブフェア インターネットの求人サイトのほか、求人専門誌や新聞などの求人欄を利用する方法があります。外国人専門のものや、外国語新聞を利用すると、より外国人の目にとまりやすいでしょう。
ハローワーク 日本人採用と同様所轄のハローワークで求人を出すことができます。求人票を外国人雇用サービスセンター(後述)へ転送してもらうこともできます。費用はかかりません。
人材紹介会社/
エグゼクティブサーチ
採用の要件を伝え、それに適した人材を紹介されるため、上記の手段と比較し、書類選考・面接・応募者対応などの採用の手間が削減できます。また、多くの場合成功報酬型のため、人材を採用するまで費用がかかりません。社名を伏せて採用ができるため、採用活動を社内外に知られたくない場合などにも利用できます。
〜留学生の場合〜
新卒採用 就職活動時期を利用し、日本人の新卒採用と同時に外国人採用枠を設けて採用する方法です。採用情報に「国籍不問」と記載し、日本人学生と同様の試験を行うほか、別途日本語能力試験を課す企業が多いようです。
大学留学生課への求人 コストがかからず効率的なのは、大学の留学生課に直接求人票を出し企業側からアプローチすることです。特定の国の留学生を採用したいのであれば、大学によってどんな国の学生が多いのかあらかじめ調べておくとよいでしょう。
外国人雇用
サービスセンター
外国人に係る情報提供、職業相談、紹介等を専門に行う公的機関で、東京、名古屋、大阪に設置されています。センターでは留学生向けに企業からの求人票を受け付け、登録している学生に公開しています。また、留学生を対象としたインターンシップや就職面接会の開催等、さまざまなサービスを提供しており無料で利用できます。
Q3外国人雇用状況の届け出の義務とはどういうものですか?
A3

企業は、外国人を雇い入れるとき、および外国人が退職するとき、所轄のハローワークへ届け出ることを義務付けられています。届け出を怠ったり虚偽の届け出を行った場合には、30万円以下の罰金が科せられます。
届け出の対象となる外国人は、日本の国籍を有しない人で、在留資格「外交」「公用」以外の人です。また「特別永住者」は届け出の対象にはなりません。

  雇用保険の一般被保険者である
外国人の場合
雇用保険の一般被保険者でない
外国人の場合
届出事項 ①氏名
②在留資格
③在留期限
④生年月日
⑤性別
⑥国籍
⑦資格外活動の許可の有無
⑧雇い入れに係る事業所の名称及び所在地
⑨賃金その他の雇用状況に関する事項
⑩住所
⑪離職に係る事業所の名称及び所在地
※⑦⑧については雇い入れ時のみの届出事項
※⑨⑩⑪については離職時のみの届出事項
①氏名
②在留資格
③在留期限
④生年月日
⑤性別
⑥国籍
⑦資格外活動の許可の有無
※Fについては雇い入れ時のみの届出事項
届出方法 雇用保険の被保険者資格取得(喪失)届の備考欄に、
②在留資格
③在留期限
⑥国籍
⑦資格外活動の許可の有無
を記載して届け出
届出様式に、①〜⑦までの届出事項を記載して届け出
※窓口持参かハローワークインターネットサービスを利用。ただし一度窓口持参した場合はインターネットサービスを使えなくなるので、その場合はハローワークへ問い合わせを。
届出先 雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワーク 当該外国人が勤務する事業所施設の住所を管轄するハローワーク
届出期限 雇い入れの場合は翌月10日まで。離職の場合は翌月から起算して10日以内 雇い入れ、離職の場合ともに翌月末日まで
Q4外国人を雇用した場合、健康保険や厚生年金に加入させる必要はあるのでしょうか?
A4

国籍にかかわらず、健康保険、厚生年金、労災は日本人同様に適用され、雇用保険も一部適用されます。


●健康保険・厚生年金保険

健康保険・厚生年金保険の適用事業所で外国人を雇用する場合は、日本人同様適用になります。国民年金、厚生年金保険、共済組合には脱退一時金(※4)の制度があり、6ヵ月以上の被保険者期間があることなど一定の条件を満たした場合、日本を出国後2年以内に請求することで支給されます。また、ドイツ・イギリスなど一部の国との間では、保険料の二重負担を防止したり年金加入期間の通算ができるよう社会保障協定(※5)が締結されています。

問い合わせ先: 日本年金機構
ねんきんダイヤル0570-05-1165(一般的な年金に関する問い合わせ、国内専用)
外国からの問い合わせ先 +81-3-6700-1165
最寄りの年金事務所(※6

●労災保険

正社員に限らずアルバイト、パートを含め1人でも労働者を使用する事業所においては、外国人労働者も一律適用になります。

●雇用保険

外国公務員及び外国の失業補償制度の適用を受けていることが明らかである者を除き、国籍を問わず適用されます。ただし失業保険の受給要件は、日本人の場合と同様、就職の意志と労働の能力がある場合となるため、従業員が失業保険の受給手続きをする場合はハローワークで求職の申し込みをする必要があります。

Q5外国人を雇用するにあたって、留意すべきことはありますか?
A5

日本企業における人事労務、仕事の進め方などの常識と海外のそれとは大きく異なる場合も少なくありません。以下のような点に留意するとよいでしょう。

■書類選考・面接時

▼在留資格と在留期限を確認する
国内で外国人を雇用するに当たっては、必ずパスポート・外国人登録証明書(※7)等を見て在留資格と在留期限の確認をしましょう。
▼現在の在留資格と従事してもらいたい業務が適応するか確認する
在留資格を得て日本に在住している外国人を採用する場合、現在の在留資格と採用する外国人に従事してもらいたい業務が合致するのかどうかを判断しなければなりません。
例えば、優秀なIT技術者を雇用する場合、原則的にIT技術者の在留資格である「技術」を取得している必要があります。なお、この在留資格を得るには、理系大学卒あるいは10年以上の実務経験があることが要件となり、技術者の知識・技能・技術と、日本において従事する職務内容との関連性が厳しく問われます。
(採用後に職務が変更する場合には、在留資格の変更が必要になります。しかしそれぞれの在留資格には厳しい基準が定められており、資格の変更が認められないケースがありますので、職務を変更したい場合には、事前に在留資格の条件を確認しておくとよいでしょう。)
▼留学生の場合、在留資格を「留学」から「就労可能な在留資格」へ変更する
変更に当たっては、専門科目と従事してもらいたい業務との関連性を問われますので、従事する業務と専門科目の関連性を確認しなければなりません。例えば、語学を専攻していた学生が機械工学等の技術者としてソフトウエア開発に従事することはできません。
なお、留学生の資格変更手続きは、4月の入社までに間に合うように、原則1月から(一部の入国管理局では12月から)受け付けています。
▼会社の人事制度をよく説明する
日本ではジェネラリストを養成するため、長い年月をかけて教育していく傾向がありますが、諸外国ではスペシャリストとして短い期間で専門性を身につける傾向があります。自社の人事制度についてよく説明をしておかないと専門性が身につかないからと早期に退職してしまう場合もあります。
▼キャリアプランを確認する
日本で2〜3年働いて箔をつけて母国に帰る計画を立てている場合もあれば、ずっと日本で勤務し母国への赴任を望んでいない場合もあります。将来の現地法人の幹部として採用するつもりなのか、日本で働き続けてもらいたいのかなど、自社の人事制度の説明と共に本人のキャリアプランを確認しましょう。

■内定・雇用契約時

▼労働条件通知書を交付する
外国人であっても、日本においては、日本人と同様に最低賃金法・労働基準法などの労働法規が適用されます。労働条件についても労働基準法上明示や交付義務がありますので、労働者に作成して渡す必要があります。雇用時の条件を明示しておくことは、採用後トラブル防止にもつながります。
(厚生労働省のホームページで、外国人向けの労働条件通知書の書式のダウンロードが可能です。(※8))
▼職務記述書を交付する
日本では職務記述書*を交付することはあまりありませんが、欧米諸国をはじめ諸外国では「職務」を重視し、その詳細を記した書面を作成して雇用管理の土台とすることが一般的です。日本と異なり、与えられた職務以外の仕事は一切しないという国民性の地域もあります。そのため、制度として職務記述書がない場合には、外国人が戸惑わないよう、職務記述書にかえて必要な説明をしたり文書を公布することを検討しましょう。
*職務記述書(ジョブディスクリプションJob Description)
企業内部の各職務内容について詳細に記載したもの
職務記述書の代表的な記載内容は、責任・権限の範囲、具体的な仕事内容、期待される結果、必要とされる知識・技術と能力資格、連絡・交渉すべき社内外の相手、予算枠 など

外国で採用活動を行う場合、上記以外にも以下の点に留意しましょう。

▼身元を確認する
国柄もありますが学歴・経歴詐称が横行している国もあります。面接に当たっては学歴詐称等を見分けるために大学の卒業証明書や、不法入国者などを誤って採用しないためにIDカードなど身元が確認できる書類を添付させるのがよいでしょう。
▼差別事項に該当しないよう質問の内容に注意する
国によっては法令により面接時に年齢・性別・宗教などに関する直接的・間接的な質問自体が差別問題にあたる場合があります。特に条項がない国についても、業務に直接関係のない質問はできるだけ控えたほうが望ましいでしょう。
▼就業規則や雇用契約書は現地の法律をよく確認する
採用が決まった場合は雇用契約書の締結を行います。国によって雇用契約書の締結を法律で義務付けていない国もありますが、後々のトラブルを避けるためにも締結しておいたほうがよいでしょう。その他、入社時に誓約書の提出を求めることも検討しましょう。社員の行動規範と共に機密保持や一定期間の競合相手への転職禁止などを記載することによって、情報漏えいなどのリスクを避けることができます。就業規則の整備と併せ、現地の法律に詳しい専門家に内容を確認してもらいましょう。

日本企業における人事労務、仕事の進め方などの常識と海外のそれとは大きく異なる場合も少なくありません。文化、法律、国民性など様々な違いにより、現地企業では日本本社と異なる人事制度を採用しなければならないことも多いようです。設立間もない場合など自社で制度の整備が難しい場合は、労務コンサルティングサービス会社を利用するのも一つの方法です。

テンプグループでは、以下のようなサービスをご用意しています。
是非お気軽にご相談ください。

▼海外で就業する人材採用のお手伝い
海外グループ会社(中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、インドネシア、米国)や提携企業を通じて、人材採用のお手伝いをしています。
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(日本国内からのご相談も可能です)
http://www.tempstaff.co.jp/client/service/over_sea/index.html

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http://www.tempstaff.co.jp/universal/client/index.html

【参考文献】
「外国人の雇用に関するQ&A」東京労働局職業安定部・ハローワーク(平成22年発行)

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