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部下とのコミュニケーションに役立つコーチングスキルの基礎

今日から実践!部下の力を引き出すコーチングスキル

コーチングとは

コーチングとは、人材育成の手法の一つ。対話を通じて相手の力を引き出したり、問題解決や目標達成へと導いたりする技術を指します。馬車を意味する「Coach」が語源で、馬車のように「人を目的地に運ぶ」というところから転じて、指導役をコーチと呼ぶようになりました。
癒しをもたらし、治療を施す「カウンセリング」、解決策を提示する「コンサルティング」とは異なり、目標に到達できるよう相手に働きかけるという点が、コーチングならではのポイントです。相手が主体となって動けるよう、気づきやきっかけを与えていくという視点は、部下のやる気や潜在能力を引き出したいと考える上司にとって、大いに参考になることでしょう。
その基本となるスタンスは、双方向のコミュニケーション・継続的なコミュニケーション・相手に合わせた対応の3点。今回は、この3点について解説していきます。

コーチングから学ぶコミュニケーションのポイント

1.双方向のコミュニケーションを心がけましょう

職場での会話を想像してください。部下に何か指示を出して、部下も「わかりました」と言ったのに、「実はまったく伝わっていなかった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。部下からしてみれば、「上司の言うことはよくわからない」「言いたいことが伝えきれなかった」と思う場面も少なくないかもしれません。会話の際は、お互いに自分の真意が相手に伝わっているかを確認しないと、一方通行のコミュニケーションに終わってしまうことも多いものです。
双方向のコミュニケーションをするには、相手の話を聴くスキル質問するスキルが重要です。会話には、人に話を聞いてもらうことで考えがまとまったり、新しいことに気づいたりといった効果があります。だからといって、話し手がただ話し続けるのも難しいものです。聞き手に相づちや質問をはさんでもらうことで、話し手と聞き手双方の理解が深まり、具体的なアイデアや行動につながっていく有意義な会話となります。

●聴くスキル

「そうですね」「そんなふうに考えていたんですね」という相づちや、「それで?」「もっと聞かせてください」といった先をうながす言葉をはさむことで、話し手は「自分の言葉が受け止められている」と安心して、話しやすくなります。
「体調が悪いんです」と言われたら、「体調が悪いんですね」と返すなど、相手の言葉を繰り返すのも、安心感を与える効果があります。

●質問するスキル

問いかけることが、相手の中にある答えを見つけ出すきっかけになります。
まず、質問の内容についてですが、「そこのところを具体的に聞かせてくれますか?」「○○というのは、どういう意味ですか?」「どんな手段があると思いますか?」といったような、話を具体化させる内容や、「××さんならどう対応しますか?」「あなた以外の人はどう考えていると思いますか?」「ほかに何か気づいたことはありますか?」など、相手の視点を変えて気づきを与える内容が有効です。
また、相手への聞き方にも配慮が必要です。たとえば相手が失敗したときに「なぜできなかったのですか?」というように、最初から非があることを前提に、責めるような聞き方をしてしまうと、相手に防御の姿勢をとらせがちです。「何が障害になったのですか?」「どうやったらうまくいくと思いますか?」というように、相手の心理的負担を軽くすることがポイント。前向きに考えさせる聞き方をするのがよいでしょう。

2.継続的にコミュニケーションを取りましょう

双方向のコミュニケーションを実践して課題を共有しても、それだけでは、行動につながらないで終わってしまう可能性があります。
コーチングでは、相手が行動を起こすまでコミュニケーションを継続することが重要と言われています。部下に何かを任せたり、ミッションを与えたりした際は、「○日後にどうなったか教えてほしい」と約束した上で、期日が来たら必ず進捗状況を確認し、状況が芳しければほめる、反対に問題があれば問題点を整理するなど、フォローをしてあげることが大切です。状況確認をする場として、毎日5分のミーティングや、一週間に一度の報告会など、定期的な機会を設定するのも有効です。
一見簡単そうに感じられますが、実践するには根気を必要とします。しかし、継続的にコミュニケーションを取ることで安心感と信頼関係が生まれ、課題の達成に向けて徐々に前進していけるのです。また、信頼関係づくりの土台として、仕事のこと以外の雑談を交わすなど、日頃から親近感を持てるようにしておくことも、上司と部下という間柄では必要なことでしょう。

●やる気を起こさせるほめ言葉

相手をフォローする際にかけてあげたい、賞賛の言葉の具体例をご紹介します。事実を指摘するだけではなく、「相手のやる気や行動を見て、自分や他の人がどのような影響を受けたか」という視点でメッセージを伝えると、心に響くと言われています。

(例)
「○○さんの頑張っている姿を見ると、私もやる気が出てきます」
「○○さんに任せれば、私も安心です」
「○○さんが××してくれたから、みんなも助かりました」
「○○さんの仕事ぶりには、みんなが信頼を置いています」

3.相手に合わせた対応をしましょう

じっくり考えてから行動に移すタイプもいれば、「頭で考えるよりまず行動」というタイプもいたりと、行動や仕事のスタイルは人それぞれです。とかく自分のスタイルを基準にして、部下の仕事ぶりを判断したり、指示を与えたりしてしまいがちですが、たとえば「色々と考えるより、まずは行動したい」というタイプの部下に綿密な準備を求めたら、相手は苦痛に感じてしまうでしょうし、その人本来の良さを発揮することもできないかもしれません。部下のタイプを見極めて、その人に適した対応をするという視点が必要です。
たとえば、多くの企業でコーチングの参考にされている性格判断術「エニアグラム」では、人の性格を以下の9タイプに分類しています。

特徴 タイプ名 コミュニケーション上の
注意点
真面目で責任感が強い
何事も完璧でないと気が済まない
タイプ1
「完璧でありたい人」
真面目な態度で接し、地道な努力を評価する
親切で思いやりがある
おせっかいな傾向も
タイプ2
「他人の役に立ちたい人」
感謝の気持ちを言葉で伝える
現実的で行動力がある
結果第一でプロセスを軽視しがち
タイプ3
「成功したい人」
能力や実績を積極的にほめる
想像力が豊か
好き嫌いで物事を判断する
タイプ4
「特別な存在でありたい人」
自分の価値観を押しつけない
物事を客観的に判断できる
往々にして理屈っぽい
タイプ5
「知識を得たい人」
論理的に話をするよう心がける
慎重で注意深い
決断力に欠ける面がある
タイプ6
「物事を慎重に進めたい人」
一つ一つ細かく明確に指示を出す
頭の回転が速く、アイデア豊富
熱しやすく冷めやすい
タイプ7
「何事も楽しみたい人」
短所の克服より、長所を伸ばすことに力を入れる
リーダーシップを発揮する
やや協調性に欠ける
タイプ8
「自分の思い通りにしたい人」
ある程度本人に任せ、あまり口出ししない
マイペースで自然体
変化や刺激を好まない
タイプ9
「平穏に過ごしたい人」
話をじっくり聞く時間を設ける

ビジネスシーンで大切なのは、部下がどのような傾向が強いのかを把握し、一人ひとりに合わせた対応を心がけていくことです。部下のモチベーションを高め、潜在能力を最大限に引き出すためにも、コーチングスキルに磨きをかけてみてはいかがでしょうか。

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