理系キャリアQ&A
Q

研究職の正社員型派遣とは?
登録型派遣とはどう違う?

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A

研究職の求人でよく目にする“無期雇用派遣”や“正社員型派遣”は、派遣会社の社員として、期間の定めなく雇われた人が、顧客先企業や公的研究機関に派遣されて研究に従事するはたらき方です。法律的な正式名称は“無期雇用派遣”となります。この他に労働者派遣には、仕事ごとに期間と仕事内容を定めた労働契約を結び、派遣先企業で就業いただく“登録型派遣”があります。どちらがよい、悪いということではありません。それぞれの特徴を知り、ご自身に合うはたらき方を選んでいただければと思います。

研究職の無期雇用派遣

研究職に特徴的な傾向として、アカデミアのポストは任期付き、つまり有期雇用契約のものが多いことがあげられます。最近の調査によると、約6割が任期付きのポストであるとの報告もあります。任期付き雇用は、契約期間が満了するたびに次の仕事を探さなければなりません。そのため、研究に従事したくても雇用が不安定なことがネックとなる方は少なくありません。そのような方へのひとつの選択肢が、無期雇用派遣です。

派遣社員と言っても、派遣会社の正社員ですので、雇用期間の定めはなく、定年まではたらくことが前提となっています。配属先(派遣先)は会社に決定権がありますが、ご本人の能力や適性、長期的なキャリア構築の観点から決定されることがほとんどです。ひとつの配属先(派遣先)での仕事が終了しても、次の配属先は会社が用意します。また、任期付き雇用では、次の仕事に就くまでの期間は無給となってしまいますが、無期雇用派遣の場合は、配属先が決まるまでの間に待機期間が発生したとしても、雇用は継続しているため、原則、給料は支払われます。

研究職の登録型派遣

ライフスタイルの多様化に伴い、はたらく人の側にもさまざまなニーズが存在します。一定期間だけはたらきたい、時間的な制約がありパートタイムで探している、勤務地を限定して仕事を選びたい…など、当社にも日々さまざまなご相談が寄せられています。そのようなニーズに応え得るのが、仕事ごとに条件を定めた“登録型派遣”というはたらき方です。

派遣会社では、毎日さまざまな取引先企業の研究部門や研究機関から、派遣の依頼を受けています。派遣会社の担当営業が、派遣先の希望する業務内容を詳しくヒアリングし、さらに勤務時間や勤務期間などの諸条件についても漏れなく確認しています。仕事をお探しの登録者の方と、派遣先から要望された業務のマッチングを行うだけでなく、必要に応じて勤務時間など条件の調整も行いますので、ご自身の都合や希望に合わせた仕事を探すことができです。

事前に希望条件やスキルを登録しておくため、“登録型派遣”と呼ばれています。希望の仕事が見つかるたびに派遣会社と雇用契約を結びます。契約期間中は派遣会社と雇用関係がありますが、それ以外の期間は、雇用関係はありません。

登録型派遣には期間制限がある

登録型派遣で留意しておいていただきたいのが、労働者派遣法による派遣期間の制限です。労働者派遣法では、一つの派遣先の同じ仕事に3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れてはいけないことになっています。ただし、無期雇用派遣の場合は、受け入れ期間の制限はありません。

登録型派遣には無期転換ルールがある

有期雇用契約が通算5年を超えてくり返し更新されており、労働者が希望する場合には、期間に定めのない雇用契約(無期雇用契約)へ転換する“無期転換”の制度があります。労働契約法に基づく制度で“無期転換ルール”と呼ばれています。無期雇用社員への転換を希望する場合は、ご自身で会社に申し込むことが必要です。無期転換すると、派遣法における期間制限の対象外となります。

※この制度は、派遣社員だけでなく、契約社員、パート・アルバイトなどの名称を問わず、契約期間に定めのある労働者の方が対象となります。

研究職の無期雇用派遣と登録型派遣の比較

無期雇用派遣
登録型派遣

雇用期間の定め

なし あり(業務ごとに契約期間が異なる)

賃金

月給制が多い 時給制が多い(休祝日などにより変動)

就業先

会社が指定 ご自身の希望に応じて選択

仕事内容

能力・希望を考慮し会社が指定 ご自身の希望に応じて選択

それぞれの特徴を理解した上で、ご自身に合ったはたらき方を選択し、イキイキとした毎日を送ってくださいね。応援しています!


この記事を書いた人:

パーソルテンプスタッフ株式会社 研究開発事業本部所属 国家資格キャリアコンサルタント

更新日:2019.12.20 / 公開日:2018.07.03